認知症徘徊コラム

【GPS専用シューズ】認知症徘徊GPSセンターのオプション商品の魅力

 認知症徘徊GPSセンターのオプション商品である「GPS専用シューズ」をご存知でしょうか。
GPS専用シューズは、靴のかかと部分にGPS機器を内蔵できる認知症徘徊対策に特化したシューズであり、認知症患者が徘徊してしまった際に、GPS内蔵の靴を履いていれば早期発見につなげることができます。
そして、事故や怪我・事件に巻き込まれるリスクを減らすことができるため、認知症徘徊GPSセンターのGPS機器を利用しているご家族にとって、人気の高いアイテムの一つになります。

 今回の記事では「GPS専用シューズ」について、特徴や仕様、GPS専用シューズを使った持たせ方のコツなどを紹介していきます。
ご興味のある方や、購入を迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

1.GPS専用シューズとは?


 認知症徘徊GPSセンターでは、徘徊する認知症患者を見守るためのアイテムである「GPS専用シューズ」を販売しています。
一般的なシューズとは違い、GPS端末を左のかかと部分に内蔵することができる仕様になっています。
● GPS機器を持たずに徘徊してしまった
● GPS機器を付けた杖を置いていなくなった
● GPSを持つのを嫌がる
などといった、緊急事態やGPS機器の持たせ方に悩んでいるご家族におすすめできるものです。

3つのメリット
GPS専用シューズを使うことにより
● 自然とGPS機器を取り入れられる
● GPS機器を持つことへの抵抗感を減らす
● 早期発見に繋げ事件や事故に巻き込まれるリスクを減らす
上記3つが大きなメリットになります。

シューズにGPS機器を埋め込むことにより、認知症のご本人にストレスを与えることなく持ち運べて、ご家族は位置情報を把握できるといった点で有効です。

2.GPS専用シューズ10の工夫

 GPS専用シューズは、利用者目線で使いやすく履きやすい仕様になっており、10の工夫が施されています。

①楽に履けるオープンスタイル
 GPS専用シューズの足の甲(ベロ)部分がフルオープンで大きく広げられるので、楽に靴を履ける仕様になっています。
閉じるとしっかりと足を包み込むようになっているため、歩きやすくなり、転倒のリスクも減らすことができます。

②自分の甲の高さにぴったり
 足の甲(ベロ)部分がマジックテープになっているため、自分の甲の高さに合わせて自由に調整ができます。
かかとが浮いて歩きにくかったり、窮屈で足を痛めたり、靴擦れ防止などにも有効です。

③つまずき防止
 高齢者の転倒事故の理由に「段差でつまずく」といったことがあります。
高齢者は病気や体力の衰え等により、ちょっとした段差でつまずいたり、すり足歩行になることにより、つまずきやすくなったりしてしまいます。
つま先部分に適度な反りをつけることで転倒のリスクを抑えることができます。

④中敷を2枚使用
 GPSを使用したばかりの方はどうしても機器を探してしまう事があるので、見つけづらいように中敷きを2重にしています。

⑤履き口をしっかりと包む
 かかと部分に足首を包むパッドを配置し、履き口をしっかりと包むことでかかとの浮きを防ぎ、安定した歩行が可能になります。

⑥暗い所も光ってお知らせ
 かかと外側部分に反射テープが施されており、暗い夜道でも光って存在を知らせドライバーに注意を促すことができます。

⑦履きやすいかかとリング
 かかと部分にリングが付いていているため、リングを持ちながら履けば、靴べらいらずで簡単に履くことができます。また、ご家族の方がかかとリングを持ってあげることもできるので、手が不自由な方でも安心して履くことができます。

⑧かかとをしっかり包み込む
 かかとをしっかりと包んでくれる大きめのヒールカウンターで、歩行をサポートし安定性を高める役割があります。
 
⑨名前が書けるフリースペース
 かかとリングがついている部分には、フリースペースがありお名前を書けるようになっています。
迷子になってしまった時にも、お名前や住所・連絡先などが書いてあれば安心です。

⑩靴底スペースにGPS内臓が可能
 左の2枚の中敷を引き上げると、GPS機器を内蔵できるスペースがあります。
徘徊してしまう恐れのある方は、付属のGPSプラスチックケースに入れ、GPS機器を内蔵しておくと安心ですね。

3.グッドデザイン賞を受賞

 GPS専用シューズは、ケア・リハビリシューズ専門会社が作り、2015年にグッドデザイン賞を受賞しています。
専用シューズは、合成皮革(ポリウレタン100%)、トリコットスウェード(ポリエステル100%)の素材でできています。
足の側面に施されているトリコットスウェードは、編地でストレッチ性が高く通気性にも優れていることが大きな特徴で、長時間履いていても蒸れにくいといったメリットがあります。
靴の全体的なデザインも高級感があり、カラーも黒と赤(スリッポンタイプ)で、性別問わずとても使いやすいシンプルなデザインが非常に魅力的なシューズです。

靴の重さは?
 GPS専用シューズに弊社のGPS機器を埋め込んだ際、靴の重さに左右で大きな変化があるのか調べました。
GPS機器の内蔵は左の踵部分のみ、Mサイズ(24.0〜24.5)で計測しています。
結果は
左(GPS内蔵)355g
右(未内蔵)305g
左右で50gの差となりました。
(GPS端末25g、内蔵するために使用するプラスチックケース25g)
50gは身近なものでいうと、Mサイズの卵約1つ分(殻なし)にあたります。
足腰の弱い高齢者の方でも、左右の違和感がなく安心して履けるシューズですね。

4.靴を履いてもらうには

 GPS専用シューズを購入したら、履いてもらう工夫も大切です。
玄関には「専用シューズ」のみを置くことや「孫からのプレゼントだよ」「履きやすいって人気の靴を買ってきたよ」などの声かけもしてみると良いでしょう。
また、お気に入りの靴はしまっても探して履いてしまう可能性もあるため、下駄箱から移動しご本人に分からない場所にしまっておくのが理想です。

5.まとめ

 徘徊対策として、GPS機能がついたものを持たせることは浸透してきていますが、GPS機器をどのように持ってもらうか、持ち出し方に課題を感じる方もいるでしょう。
GPS専用シューズは、毎日使用する靴を利用して、認知症患者の現在位置を把握することができる非常に有効なアイテムであり、大切な方を見守るために工夫と愛情をいっぱいつめた商品です。
 GPS機器の持ち出し方の課題に貢献できるよう様々なアイディアがあり、認知症患者の安全の確保のみならず、ご家族や介護者のストレスを減らし環境改善に繋げられるよう工夫されています。
認知症本人は「いつでも安心してお出かけできる」
ご家族・介護者は「安心して見守ることができる」
「安心のある日常を送ってほしい」という気持ちが込められているのではないかと感じます。

GPS専用シューズの詳しい仕様や購入については、認知症徘徊GPSセンター「専用シューズ」から見ることができます。
最後までご覧いただきありがとうございました。

参考
厚生労働省 転倒予防のために 適切な「靴」を選びましょう 
トリコットとは
【高齢者向け】転倒を予防する靴選び5つのポイントを作業療法士が解説
うららかGPSウォーク

https://www.ninchisho-haikai-gps.com/gps_rn/wp-content/themes/cure_tcd082/img/common/no_avatar.png

執筆:腰塚 侑香里(介護福祉士)
介護福祉士としてデイケアで働きながら、介護職の楽しさを発信するためWEBライターとしても活動中。読みやすく分かりやすい文章を目指して頑張っています!

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