つまり、脳の認知機能が低下するために起こる“病気”なのです。
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認知症とは「脳や身体の疾患を原因として記憶・判断力などの障害が起こり、普通の社会生活が営めなくなった状態」と定義されています。※若くても認知症を発症することがあり、65歳未満で発症した認知症を「若年性認知症」と言います。
つまり、脳の認知機能が低下するために起こる“病気”なのです。
認知症と区別すべき病態には、せん妄(せん妄の症状は変動し、認知症の症状は比較的安定)、統合失調症(発症年齢が若い)、うつ病などがあります。
物忘れ | 認知症 | |
原因 | 脳の老化 | 脳の病気 |
状態 | 体験の一部を忘れる(例:朝食は何を食べた?) ※ヒントがあれば思い出す。進行しない。忘れっぽいことを自覚している。 |
体験そのものを忘れる(例:朝食を食べた?) ※ヒントがあっても思い出せない。進行する。忘れたことの自覚がない。 |
介護 | 必要なし | 必要あり |
認知症の91.4%が三つの認知症で構成され、アルツハイマー型認知症(AD)が67.6%、血管性認知症(VaD)が19.5%、レビー小体型認知症(DLB/PDD)が4.3%となっています。その他にも前頭側頭型認知症(ピック病:PTD)、生常圧水頭症(NPH)、アルコール性認知症(ARD)などがあります。
アルツハイマー型認知症(AD) | 血管性認知症(VaD) | レビー小体型認知症(DLB/PDD) | |
原因 | 老人斑・神経原線維変化により神経細胞が死滅し、脳が委縮している | 脳梗塞、脳出血が原因で脳の血液循環が悪くなり神経細胞が死滅してしまう | レビー小体という異常な物質が沈着することで神経細胞が死滅してしまう |
性別 | 女性に多い | 男性が多い | 男性がやや多い |
年齢 | 70歳以上に多い | 60~70歳に多い | 50~70歳に多い |
初期症状 | もの忘れ | もの忘れ | 幻視 |
特徴的な症状 | 記憶障害、もの盗られ妄想、不安・うつ状態、遂行機能障害、見当識障害 | 記憶障害、頭痛・頭重(ずおも)、不安・うつ状態、睡眠障害、手足のしびれ・麻痺 | 幻視・幻想、不安・うつ状態、パーキンソン症状(しびれ、筋肉が硬くなる、体のバランスが崩れるなど) |
進行 | 少しずつ確実に進行する | 段階的に進行する | 比較的早く進行する |
認知症患者数 | 年齢階級別認知症有病率 |
65歳以上の5人に1人 2025年には700万人(65歳以上の5人に1人)の見込 2012年は462万人、2040年には950万人、2060年には1,150万人と時代と共に増加する見込 |
85歳以上の2人に1人 85歳以上では53%で2人に1人が認知症 65~69歳は2.2%、70~74歳は4.8%、75~79歳は10.8%、80~歳84歳は23.9%(男女平均) |
日本の超高齢化社会(総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合が21%を超えた社会)に伴い、認知症高齢者は急増し、大きな社会問題となっています。また、住み慣れた地域で可能な限り生活をしていくために社会全体且つ地域で認知症高齢者や介護をする人の生活を支援する仕組が必要です。
出典:内閣府/平成28年版高齢社会白書/九州大学二宮教授/平成26年度日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究/厚生労働省/平成24(2012)年度/都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応/認知症の基礎疾患の内訳