徘徊演習

1週3キロの周回コースを徘徊したら、地図にはどう表示されるのか

これまで認知症徘徊GPSセンターの事務局が「徘徊演習」として、様々な実証実験?活動?をしてきました。横浜マラソンに便乗して、認知症高齢者や認知症の疑いがある高齢者の気持ちになって、実際の高速道路に自らの足で侵入?して、認知症徘徊GPSが正確に測定できるか、さらには人生1日で100キロも歩いたことない、ましては走ったこともない事務局が柴又100Kマラソンに挑戦して、東京都から茨城県の江戸川沿いを100キロ徘徊した場合でも、正確に表示されるかなど、体を張った徘徊演習を実施してきました。

認知症徘徊GPSセンターは、移動経路を把握することが重要だと考えており、当センターのGPS端末は、予め決めた時間間隔(推奨10分)で自動的に測定をすること(無しにすることも可)がでるようになっています。徘徊するときに必ずGPS端末を持って行くとは限らず、もし持たずに徘徊してしまったら家族や関係者は、事故や事件が起きる前にいかに早くお迎えに行くか、保護するかが重要なポイントとなります。そのためには、“イザ”に備えて、いつものお散歩(徘徊)コースを把握しておけば、焦って手あたり次第探さなくても、落ち着いて心当たりの場所、コースを探すこと、または第三者に指示(●●公園付近を探して!)をすることができます。例えば、携帯を持たない小学生の子どもがなかなか家に帰ってこないとき、親は「遅いな、どこ行った、何している?」とだんだん心配になり、一緒にいそうな子どもの親に連絡してみたり、親が自ら心当たりの場所に、子どもと入れ違いにならないように家までの帰宅ルートを逆走する形で探しに行くと思います。まさに、これが“イザ”に備えて「移動経路」を把握しておく重要性をお伝えしている意図でもあります。
さて、前置きは長くなりましたが、これまでの徘徊演習では、A地点からB地点を目指す形の演習でしたので、GPS自動計測間隔を10分間でも、比較的きれいに地図上に表示されていました。私たち自身も、会社近くなどで比較的狭いエリアを徘徊してどう地図上に表示されるかを実験したことがありますが、せっかくですので、徘徊演習として1周3キロの周回コースを徘徊したら、地図にはどう表示されるのかをご披露するために、認知症徘徊演習で検証してみました。もちろん、たった一人で孤独に周回コースを徘徊したら、途中で飽きてしまう予感がしたので、2024年3月20日「第9回 柏の葉 春らんRunマラソン with クールノット(千葉県)」に便乗し、ハーフマラソン(1周3kmの周回コースを7周)で参加してきました。ちなみにGPS端末の重さは約25gで、高さは単4の乾電池程度なので、小さくて軽いので負担は感じません。今回は、ウエストポーチやリュック、ポケットもなく手ぶらだったので、二の腕にテーピングを1周巻いて取り付けてみました。

結果は、以下の画像の通りですが、何だか星(★)のようになっていました。柏の葉公園の総合競技場がスタートとゴール地点でしたので、そこに時計マーク(GPS端末機を測位した位置)が集中していました。ちなみに、時計マークの色によって測位精度(高:緑/中:青/低:赤)を見分けることができますが、全て緑ですのでしっかりと測位精度も高く測定されていました。自動計測が10分間隔で、測定された地点同士を線で結んでいるので、道がない場所に線が引かれてしまいます。決して認知症徘徊GPSセンターの事務局が池の上を走ったわけではありません。

■目的
徘徊演習として1周3キロの周回コースを徘徊したら、地図にはどう表示されるのか

■徘徊経路
千葉県立柏の葉公園、3kmの周回コースを7周

◎まとめ
測位精度も高く測定されていましたが、測定された地点同士を線で結んでいるので星(★)のように地図上に表示された。

この徘徊演習は、色々な気づきや学び、改善点が見つかりますが、今回は予想通りの結果となりましたが、GPS端末についている「SOSボタン」を押せば、手動でも現在地を計測するので、自分で2-3分毎に細かく押せば周回コースでも、道路上にしっかりと表示されるのかなとも思いました。ちなみにSOSボタンを押すと、押された場所の位置情報が家族などの契約者にメールで送信されます。あと、ちょっとしたことですが、千葉県立柏の葉公園の駐車場は、出口のゲート(精算機)が1か所しかないため、マラソン大会参加者や他の公園利用者が一斉に重なると、大渋滞で混雑してしまい駐車場を出るのに時間がかかります。私は、出口のゲートに遠い、総合競技場に近い位置に駐車したので、帰りは30分程度かかり、駐車場出たらコンビニでジュースを買おうと何も買わずに出発してしまったので、次は事前に自動販売機でジュースを買うか、出口のゲートに近い場所に駐車したいと思います。

千葉県つながりで一つ、
認知症徘徊GPSセンターでは、千葉県いすみ市と連携をしています。
近いうち、いすみ市にも走りに(「徘徊演習」)行こうかな。

 

関連記事